ギターのツボ

ギターFコードの押さえ方

ギター初心者にとって最大の難関Fコードの克服法。
Fの簡単な押さえ方も紹介します。代わりになるコードや省略コードを活用しよう



ギター初心者の最初の難関、それは。。。『F の押さえ方』

でもなぜ、数あるバレーコードの中からFコードなのでしょう?

それは他のバレーコードと比べても格段に押さえにくいから…。

僕がFを押さえられるようになるまでの体験を順を追って紹介します。少しは参考になるかな?

とりあえず、さけて通る!

日本の音楽教育には「ハ長調神話」があるように思います。

五線譜には♯も♭もない、ピアノなら白鍵しか使わない。

確かに一見一番優しいキーの様に見えますが、ことギターに限ってはあの恐ろしいFコードの出てくる、厄介なキーなのです。

僕はギターをはじめた頃、バレーコードのほとんど出てこない、キーGの曲ばかり選んで弾いていました。

どうしてもCの楽譜しかない時は、一晩かかってGに移調したりもしました。(その方が難しい?)

キーGの中にもバレーコードがないわけではありません(BmもしくはBm7)。

これが出てきた時は音の似ているDや名前の似ているB7でごまかしていました。(当時はうしろめたさもありましたが、音楽的にもあながち間違いでないことを知ったのはずいぶん後のことです。)

今になって思えば、当時Gに固執していたことは役に立ってます。

簡単な曲ならすぐGに移調できますし、一つのキーを理解することで音楽の全体像への理解につながっているような…(ちょっとオーバーかな。)

省略フォームと出会う!

Bmの時の要領でFのかわりにDm7(1、2弦バレーですがそれほど難しくない)を使うようになって(これもあながち間違いではない。)ほどなく、ある歌本のダイアグラムに次のような表記があるではありませんか。

『F省略フォーム』

それまで少し後ろめたく使っていたDm7と非常に似た形をしたそれは、比較的簡単にマスターできました。

今もこの省略形に6弦1フレを親指で押さえるフォームが僕の定番になっています。

Dm7

F省略フォーム

F親指追加フォーム

省略フォームは邪道と考える方もいらっしゃいますが、初心者が投げ出さずにギターを続けるためには合理的な選択肢だと思います。

当時は思いつきませんでしたが、今初心者に教えるならこの『超省略フォーム』をおすすめします。非常に簡単な押さえ方で理論的にも間違いがありません。

『F超省略フォーム』

2弦、3弦、4弦だけ押さえる方法です。

弦を3本しか使わないためアルペジオには無理がありますが、音の並びが下から「ファ・ラ・ド」と正しく並んでいるのでストロークではバランス良く聞こえます。

一本で足りなきゃ、二本使え!

しかし省略形の通用しないコードもありました。

『F♯m7』当時ビートルズにハマリ始めていたこともありキーEやAの曲を弾くことが多く出現率が高かった。

6本の弦のうち5本をバレーで押さえるんだから、省略もヘッタクレもあったもんじゃない。

でもこの鬼のようなコードもひょんなことから、すぐにマスターできました。

TVに写っていたギタリスト(今思えばサザンオールスターズの桑田佳祐だったように思う)の手もとを見ると下記の写真のような押さえ方をしているではあーりませんか!

F#mのフォーム

「そうか、1本でダメなら2本使え」とばかり試してみると意外に簡単に音が出る。

でもそのことが、『F』克服の重要なターニングポイントになりました…。

実は2本で押さえているからというよりも、指を2本重ねようとすると指を寝かさざるをえない。つまり人指し指の外側を使って押さえているのです。

これが大事なポイントだったんですねー。

まずはAのハイコードから!

まだこの時点でもFは押さえられなかったのですが、ビートルズの曲を練習しているうちにAのハイコード(Fのフォームで5フレットのポジション)はなんとか音が出るようになってきました。

不思議とバレーコードは5フレ近辺が一番押さえ易いんですね。理由はよくが分かりませんが…。

ギターにも原因がある!

その後、徐々にですがFも音が出るようになってきて(ギターを始めて半年以上たっていましたが。)エレキに持ち替えた時に完全にマスターできました。

エレキはアコギより弦が細く張りも弱いので押さえ易いのです。

ちょっと邪道かもしれませんが、僕はアコギ初心者の方にはエレキの弦を張ることをお勧めしています。

確かに太い弦の方が良い音がするんですが、弦にこだわるのは、ある程度弾けるようになってからでも遅くはないですよ。

それと最初に使っていたアコギが通販で8000円という安かろう悪かろうなギターでしたから確かに弾きにくかったというのもありますね。

ギターを買う時はできるだけ楽器屋さんで試奏させてもらってネックの握り具合を確かめましょう。

特に初めてのギターでは通販での購入は慎重にと思います。

参考:失敗しないアコギ購入講座

一口にバレーコードといっても…

僕の場合、同じバレーコードでもフォームによって人指し指の位置が微妙に変わります。

例えば Fコードの時は第一関節が中央(3弦と4弦の間)ですが、Fmの時は5弦の上。Bmの時は3弦の上にきています。

一口にバレーコードといってもフォームによって力を入れるポイントが違うので自分の押さえ易いポジションを探した方が良いかもですね。

それと人指し指一本で全弦押さえるような練習方法はやっても無駄ですね。

指はまっすぐじゃないので6弦すべて押さえるのは僕でも難しいです。

実際の演奏では6弦ともバレーで音を出すことはまずありません。

ストロークならなおさら目立つ音だけ出れば良いのです。1、2弦さえ音が出れば6弦は出なくても気にならないものです。

基本は当然大事ですが演奏として成り立っているかの方が、もっと重要なのです。

レゲエで練習

このページを読んだ方からF(バレーコード)の練習法についてメールを頂きました。
読んでみて「バレーコードの克服に有効なんじゃないかなあ」と思い許可を頂き掲載します。

ここからメールの引用

20歳頃を思い出して、私が初めてバレー・コードを攻略した方法の体験を語りたいと思います。

私の師匠が素晴らしかったのは、最初に教えてくれたコードがAのメジャーセブンスにDのメジャーセブンスでした。
キーボードだと難しい4音構成のコードが、ギターだとこんなに手軽に、しかも豊かな響きをするものかと、感動し、ギターの世界に導いてくれるのかと、嬉しくなったもので、いまだにこれには感謝しております。

しかし、やはりバレーコード(特にF)ができないと、できる曲が限られるというのもまた事実で、ホーム・ページに書いてあったサザンの桑田さんの2本指技法なども、当時、試したのですが、私の場合は2本で押さえるとコードのチェンジにすこぶる戸惑ってしまいました。

さてしもその時、レゲエが好きで、ボブ・マーレイの曲をキーボードの弾き語りでなく、ギターの弾き語りでできればいいなぁと考えていて、文章でうまく伝わるかどうかわかりませんが、レゲエのリズムをエレキのリズムギターで刻む時には、ハイコードを押さえて全部ミュートしながらスチャ・スチャとスカっぽい音を出しますよね。
そのス(全ミュートの音)チャ(押さえた音)、ス(全ミュートの音)チャ(押さえた音)という練習をしていたら、何と、私にもチャ(押さえた音)が、当時としてはきれいに出るではありませんか。

理論的に言えば、西武ライオンズの松阪のピッチングが、非常に軽いテイクバックから「ビュン」という感じで力を加速して入れていく感じでしょうか。
超初心者時代の私は、無理やり力ずくでバレーコードを押さえようとしてかえってビビッた情けない音しか出なかった感じでした。

この、まったく力を入れないミュート音状態から、リズムの構成上「グっと」力をひとさし指に加速していく感じが、私の押さえたF攻略のツボでした。
まあ、まったくの自己流ですが、F攻略に悩んでおられる方の参考のひとつになれば幸いですね。

加藤 まひと より

解説

僕の勝手な想像ですが、加藤さんの場合レゲエのリズムカッティングを選択したのが幸いだったと思います。
バレーコードの難しさは「指一本で六本の弦を押さえること」なのですが、現実には1~3弦の音が出ればストロークに関してはそれらしく弾けるわけです。

しかし、6弦いっぺんに押さえようとするとうまく高音弦の音が出ない。レゲエのリズムカッティングの場合、アップストロークの部分だけ音を出すので自然と意識が高音弦へ集中し音が出るようになったのではないでしょうか。高音弦の音が出れば8割以上は出来たも同然。後は時間が解決してくれます。また、ミュートの時左手の指を浮かすので、ずーっと押さえっぱなしで練習するより疲れにくくコードチェンジのコツも自然に覚えられたのではないでしょうか。

バレーコードの練習曲を作ってみました

レゲエのリズムパターンを使ったバレーコード練習曲です。
×の部分は指を浮かせてミュートします。
とりあえず、1~3弦の音が出るように、人差指の位置を工夫してみましょう。

音を聞いてみる

最後に、ギター初心者の方へ

ギターを始められたばかりの方へ、僕からのメッセージです。

Fは確かに難関ですが、押さえられないからといってギターを投げ出すなんてナンセンス!

省略フォームでイイじゃない!

代理コードでイイじゃない!

弾けないフレーズはテキトーに作り替えれば良い。

もっと気楽におおらかに音楽を楽しみましょう。

僕の体験談で参考になりましたでしょうか?

なにかヒントを掴めば突然出来るようになるということも多いものです。

楽しみながらがんばって下さい!

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この記事を書いた人

12才よりギターを始めキャリアは30年以上。
20代半ばでブルースに目覚め、集めたCDは100枚以上。

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